遺伝子治療のすべて » 先進のがん治療である遺伝子治療とは » 遺伝子治療を受けた人の体験談

遺伝子治療を受けた人の体験談

がんの遺伝子治療を経験した患者様の声をまとめているページです。

すい臓がんの62歳女性の体験談

遺伝子治療を受ける前は、どういった治療を受けていたのでしょうか?

初発は抗がん剤(TC×アバスチン)治療前。がんが再発した際は、抗がん剤(TC×アバスチン)を受けていました。

遺伝子治療を知ったきっかけはなんでしょうか?

知人と家族の紹介です。

遺伝子治療への恐怖心・不安はございましたか?

はい。標準治療との併用が金銭的に難しくなり、遺伝子治療をやめたときに状態がどうなるか、とても不安でした。

遺伝子治療を受けてみて、良かったことはなんでしょうか?

ひとつは、副作用が緩和されたことですね。全身に回ったがんが、5~6ヵ月後には見えなくなっていました。標準治療のみだと、このような結果にはなっていなかったかもしれません。遺伝子治療を受けてよかったと思っています。

がんが再発したときは、標準治療のみの期間、投与後の2日目から副作用が辛くて、2~3日仕事もお休みしてました。

でも、遺伝子治療を始めてから、副作用も緩和されました。

遺伝子治療を実際に受けてみて、体への負担はございましたか?

正直ありませんでした。

遺伝子治療を受ける前と比べて、体調はどう変化しましたか?

身体も軽くなって食欲も増しました。抗がん剤の副作用が緩和されました。

体調ではないですが肌が潤って調子が良くなったこともひとつの変化ですね。

遺伝子治療を受けるか迷っている方に、届けたいメッセージはございますか?

私は、遺伝子治療という治療方法があることを知り、いろんな病院に話を聞きました。

が、話を聞けば聞くほど胡散臭さが増したのが正直なところです。(笑)

でも、運が良いことに知人の紹介で信頼できる病院に出会うことができ、治療を受けることにしました。

私のがんはリンパへ転移していたため、すでに癌が全身に回っており、標準治療(抗がん剤)、遺伝子治療、食事療法ををおこない治療に励みました。

なにが良かったかは正直わかりません。でも副作用もほとんどなく、全身にあったがんは数か月後には画像から綺麗に消え、原発部分の手術もなく現在に至ります。

私は、遺伝子治療を受けるという選択をして心からよかったと思っています。

治療費が高額なため簡単ではありませんが、治療を受けることが可能なのであれば、受けずに後悔することだけはしてほしくないです。

そして、信頼できる病院を見つかることをお祈りしています。

大腸がんの69歳男性の体験談

大腸がんのステージIVだったと伺いました。

そうなんですが、最初に見つかったのは肺がんだったんですよ。今から4年半くらい前です。

咳が止まらないんでおかしいなと思って、近くの診療所で診てもらったら、レントゲンにタマゴ大の影が映っていましてね。市民病院で精密検査をしたら肺がんだといわれました。

その1か月後くらいに、今度は帰宅後、おなかの右下あたりがシクシク痛むので病院に行ったら、即入院といわれました。がんが原因の腸閉塞だったんです。

その時の内視鏡検査で、大腸のがんが原発巣だということがわかりました。先に見つかった肺がんは、大腸がんからの転移だったんですよ。大腸の腫瘍そのものは大きくなかったんですが、腸の壁に垂直に広がったので早く血管に入り込んで転移してしまったのではないか、と担当の先生は言っていました。

どんな治療をしましたか?

大腸のがんはまだ大きくなかったので、翌週に手術で原発巣は取り除いて手術は終わりました。

肺がんはこの時点で5センチ、1センチ、1センチ未満と3つの腫瘍が見つかっていましたが、抗がん剤で小さい腫瘍をつぶし、大きい腫瘍を小さくしてから手術しようという段取りになっていました。

ところが、大腸の手術後、今度は肝臓にがんが見つかったんです。手術をして免疫が下がったのかもしれませんが、とにかく0.8センチの小さい腫瘍が出てきたんですね。

この肝臓にあるがんをどうするかという話になって、翌月から抗がん剤を始めました。抗がん剤とほぼ同時期に、免疫療法の1つの樹状細胞療法も始めています。

抗がん剤と樹状細胞療法で3か月後のPET-CT(陽電子放射断層撮影とコンピュータ断層撮影の機能を併せ持った機器での検査)で肺の一番小さい腫瘍と肝臓の小さい腫瘍は消えたので、その検査の翌月に、肺に残った2つの腫瘍を手術で取り除きました。

見つかったがんはすべて治療できたわけですね。

術後の経過は良好で、しばらくは何もありませんでした。しかし、肺の手術から約4か月後のCT検査で、ふたたび肝臓に1センチ、肺に米粒大のがんが見つかります。

肝臓のほうは、侵襲の少ない良い方法はないかと、知人のつてをたどったり自分で調べたりした結果、ラジオ波焼灼療法(腫瘍に電極針を入れて針にラジオ波を流しがん細胞を殺す方法)がいいと考え、検査から約4か月後、別の病院に入院してラジオ波焼灼療法でつぶしてもらいました。

肝臓のがんはその後の2度再発しましたが、同じラジオ波焼灼療法で治療し、最後の治療から2年半ほど経っていますが再発していません。CT検査でも確認できませんから。

残るは肺がんですね。

これがやっかいでした。先ほど言った米粒大の肺がんを治すのに、放射線療法かラジオ波焼灼療法かで迷い、「肺に穴をあけるのは気が進まないな」ということで放射線療法を選びました。

放射線療法は1年3か月で4回行いましたが、放射線肺炎になってしまいまして。それなのに、最後の放射線療法からしばらく後、CTとPET-CT検査で、再再発の疑いがでてきました。

そこで、また別の方法を探し、今度は凍結融解療法という、がんとその周囲の組織をマイナス170度で凍らせ死滅させる方法を行っている病院へ話を聞きに行きました。

同院で肺組織をとって検査し、がんが再々発していることが確実だとわかりましたが、同時に肺から気管支へがん組織が浸潤していることもわかり、凍結融解療法の適応にならないと判断されました。

ただし、がんを小さくして気管支の浸潤がなくなれば、凍結融解療法はできるかもしれないと思い、今度はがんを小さくする新たな方法を探しました。

それが遺伝子治療だったということですね?

はい。ほかの免疫療法とも迷いましたが、正常細胞のふりをするがん細胞を、免疫細胞で殺すより、遺伝子で中からアポトーシスさせるほうがいいのではないかと思って遺伝子治療にしました。

そこまで勉強されたのですか!?

はい。自分でも調べましたが、息子の知人が仕事柄そういうことに詳しくて、自費診療の治療先は基本的に、その方に教わりました。

現在の治療内容を教えてください。

低用量抗がん剤との併用で、最初は週に1回、現在は2週に1回のペースで遺伝子治療を受けています。3か月ほど前からはじめて、今日で9回目です。

実は最初、抗がん剤を拒否していたんです。大腸がん手術後の抗がん剤治療で、ひどい副作用が出たからです。

血圧がものすごく上がったり、ひどい下痢をしたり。なにより気分が悪くてなにも食べれなかったのがつらかったですね。でも抗がん剤との併用で治療成績が良いことから、少ない量ならと受け入れました。今のところ副作用は出ていませんね。

遺伝子治療の効果はいかがでしょう?

腫瘍マーカーのCEAでみると、治療前に19.3あったのが翌月に11.9。その翌月は若干上昇して12.6です。CA19-9は131から90、80と下がり続けています。

治療を始めてからは肺のちょっとした重だるさがなくなり、息がしやすくなったとは思いますね。今気になっているのは朝に血圧が高くなることくらいで、普通に仕事にも行っていますよ。

とてもステージIVの方とは思えないほどお元気ですね。

遺伝子治療と抗がん剤の併用でがんがうまくコントロールできているせいでしょう。それと、この2か月で2キロ体重が増え、ようやく健常時と同じくらいまで体重が戻ったことも大きいのではないでしょうか。

普段から食事に気を付けて体調管理もしていたのでだいたい62キロ前後をキープしていたのが、がんを告知させる直前は54.5キロまでやせてしまったんです。

やせたら命が危ないと思い、がんになってからは一生懸命に食べるようにしてきました。毎日口にするものを記録して病院と共有したり、妻は妻で、自家製の無農薬野菜中心の献立にするなど、以前よりも食材に気を使ってくれています。

最初のがん告知から振り返ってみて、いまなにを思いますか?

2つの選択の失敗があったなと後悔しています。1つは最初の抗がん剤治療です。大腸がんの手術後、予防的に行いましたが、新たながんが出てからでも良かったかもしれません。あれで免疫を落とし、再発につながったような気がしています。

もう1つは、肺がんの放射線療法です。放射線科の先生からは「ラジオ波のほうが確実だけど」と言われていたので、あのときそちらを選んで確実につぶしておいれば、ここまで引っ張らずに済んだかもしれません。

放射線療法は肺炎がでることもあるので、最後までとっておくべきだったなと、今になって思います。

でも、主治医の先生からは「ご自身で治療を選択していなければ、ここまで長生きできなかった」とも言われてもいるので、そもそも自分で考えて選んでいなければ、もっと前に人生が終わっていたかもしれません。

実際、最初の抗がん剤治療のときに、薬が効かなければ1年しか生きられないとドクターから宣告されていましたから。

この4年半で一番ショックだったのはいつですか?

抗がん剤治療前の余命1年宣告もショックでしたが、やはり最初に肺がんが見つかったときですね。タバコも吸わない、健康診断で指摘を受けたこともない私がなぜ?という思いと、毎年会社で健康診断を受けていたのに、なぜ見過ごされてきたのか、という二重のショックがありました。

今後の見通しをお聞かせください。

今後の血液検査で、遺伝子治療を継続するか、ほかの免疫療法に移行するかを決めるというのが、まず目前にあります。

どちらにしても、今の低用量抗がん剤となんらかの方法を併用しながら今ある肺のがんを小さくしていき…理想としては2センチくらいまで抑え込んでから、最終的に凍結融解療法でがん細胞を殺してしまうというのが目標です。

ここまでさまざまな治療を通して思うのは、遺伝子治療や免疫療法は治療のベースだということです。

私の場合、手術や放射線療法のあとに遺伝子治療を受けることになってしまいましたが、本来は手術や放射線療法など根本的な治療を受ける前に、遺伝子をもとに戻したり、免疫力を上げたりしておくべき。それが、ほかの治療の効果を押し上げてくるのではないかと思います。

参照元:がん遺伝子治療のことがわかる本

遺伝子治療を行う
クリニック一覧を見る