遺伝子治療のすべて » がんのステージ » ステージ3

ステージ3

ステージ3のがんは完治するのか

がんの種類にもよりますが、ここでは一般的な臓器のがんについて説明します。

ステージ3のがんでは他の組織に腫瘍が広がっており、リンパ節への転移もみられます。離れた臓器への転移(遠隔転移)はなくても局所的には進行がんであり、手術が困難なケースが多くなってきます。

がんの完治とは治療終了後5年以上にわたって再発がみられない状態を指します。以下で説明する5年生存率は治療中の人もカウントされているので、完治率ではありません。もちろん中には完治した人もいらっしゃいますが、がんの診断時すでにステージ3だとすると、がんの種類によっては完治率がかなり低くなると考えたほうがいいでしょう。

ステージ3と診断された場合の5年生存率と余命の考え方

5年生存率とは、がんの治療を受けた結果どのくらい生きられるかを示した指標のことです。具体的には、診断された日から5年後に生存している確率を数値で示したものです。

ここで、ステージ3における主ながんの生存率を見てみます。

※参考:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター「がんの統計 '19」

ステージ1や2と比べてかなり厳しい数字が表れていることがわかります。このあたりから、がんの種類によっては余命ということを考える必要が出てきます。

余命の考え方

がん患者さんの余命について、医師は5年生存率や生存期間中央値などさまざまな観点から推測します。

余命と聞くと「あとどのくらい生きられるのか」ということだと考える人が多いかもしれません。たとえば、主治医から「何もしなければ余命は1年ほどですが、治療を受ければ余命は3年ほどです」と告げられたら、治療を受ければあと3年は生きていられる、だからがんばろうと思うわけですね。

それも間違いではないのですが、正確にいうと医師のいう余命は残された命の時間とは違います。当たり前の話ですが、人がいつ亡くなるかは誰にもわからないからです。

余命3カ月といわれたのに1カ月で亡くなる人もいます。逆に、3年以上生存していることもあります。余命とはあくまでも統計的に割り出された推測に過ぎないということを覚えておきましょう。

各がんにおけるステージ3の状態と症状

ここで、いくつかのがんにおけるステージ3の状態と症状を説明しましょう。

肺がん

肺がんステージ3の主な症状

肺がんステージ3は腫瘍が大きくなって周囲に浸潤し、縦隔リンパ節や肺門部リンパ節にも転移がみられる状態です。

自覚症状がみられないまま進行することも多い肺がんですが、ステージ3まで進行してくると咳や血痰、発熱や呼吸苦、動悸、胸痛などの症状が出現してきます。とくに複数の症状がみられたり長引いたりする場合は少しでも早く医療機関を受診すべきです。

肺がんステージ3の主な治療方法

肺がんステージ3の中でも根治切除が可能な場合は手術を選択することもありますが、原則としては放射線療法や化学療法を実施することになります。近年は免疫チェックポイント阻害薬が登場し、それらと併用することで高い治療効果を上げています。

放射線療法や化学療法による治療効果が期待できない場合は、ステージ4に準じた治療を行なうことになります。

大腸がん

大腸がんステージ3の主な症状

大腸がんステージ3は、がんが進行してリンパ節転移を起こしている状態です。

早期のうちはみられなかった自覚症状が顕著となり、主に慢性的な出血による貧血症状や、がんで腸管が狭くなることによる便秘や下痢、お腹が張るなどの症状が出てきます。がんがさらに進行すると腸閉塞を起こし、便が出なくなるので腹痛や嘔吐などがみられます。

大腸がんステージ3の主な治療方法

大腸がんの場合は、ステージ3に至っても可能であれば手術を行ないます。手術後には化学療法を併用することがほとんどです。

がんが周辺の臓器に及んでいる場合は、可能な限り一緒に切除します。がんを切除したあとで残った腸管をつなぎ合わせますが、それが難しい場合は人工肛門を造設することになります。

また、がんで大腸がふさがれてしまって切除が困難な場合は、便が通るように迂回路をつくる手術(バイパス手術)を行なうこともあります。

胃がん

胃がんステージ3の主な症状

胃がんステージ3はがんが筋肉層を越えて浸潤し、リンパ節転移も認められる状態です。

症状としてはみぞおちの痛みや不快感、吐き気、食欲不振などに加え、胃がんから出血することによって貧血や黒色便などもみられます。食事がつかえる感じがしたり、体重が減ったりすると進行胃がんの可能性が高くなります。

胃がんステージ3の主な治療方法

胃がんステージ3でも可能な限り手術を行ないます。高度なリンパ節転移が認められる場合などは、手術前に化学療法を行なったうえで胃切除を検討します。手術後にも補助的な化学療法を行なうことが一般的です。

肝臓がん

肝臓がんステージ3の主な症状

肝臓がんステージ3は、

  1. 腫瘍が1つに限られる
  2. 腫瘍のサイズが2cm以下
  3. 腫瘍が脈管に広がっていない

このうちどれか1つに合致しリンパ節や他の臓器に転移がない状態です。肝臓がんが進行してくると、腹部のしこりや圧迫感、痛みなどが出てきます。

肝臓がんステージ3の主な治療方法

肝臓がんステージ3で脈管にもがんが広がっている場合は、肝切除や塞栓療法、肝動注化学療法、分子標的薬治療などを検討します。

手術の可否判断にあたっては、肝機能が良好かどうか、手術をして肝臓をどれだけ残せるかなどが判断材料になります。

膵臓がん

膵臓がんステージ3の主な症状

膵臓がんステージ3は、腹腔動脈や上腸管膜動脈にまでがんが及んでいる状態です。離れた臓器への転移はありませんが、領域リンパ節への転移は認められます。

膵臓がんが進行すると腹痛や食欲不振、腹部の膨満感、黄疸、腰や背中の痛みなどが出現します。このほか、膵臓の機能が阻害されて糖尿病を発症することもあります。ただし、これらの症状は膵臓がん特有の症状というわけではありません。膵臓がんであっても症状が出ない場合もあります。

膵臓がんステージ3の主な治療方法

膵臓がんステージ3になると手術は困難な場合がほとんどで、化学療法や放射線療法による治療を選択することになります。

ただ、がんを手術で取り除くことができなくても、十二指腸ががんでふさがってしまった場合は食べ物が通過するように胃と小腸をつなぐバイパス手術を行なうことがあります。同じように胆管ががんでふさがってしまった場合は、黄疸を防ぐために胆管と小腸をつなぐバイパス手術を行ないます。

遺伝子治療という選択肢

がん遺伝子治療は、人間が本来持っていながら失われてしまったがん抑制機能を回復させるため、がん抑制遺伝子を再びがん細胞に導入する治療法です。本来のがん抑制機能が回復すれば、がん細胞は増殖をストップして自然死(アポトーシス)に導かれます。

がん遺伝子治療は副作用が少ないため、手術などの治療が困難な場合でも適応可能な場合が多くあります。末期がんで緩和ケアしか対処方法がないような患者さんでも効果がみられた例も多数報告されています。もちろん化学療法や放射線療法との併用も可能で、むしろ相乗効果をもたらすとも考えられています。

遺伝子治療を提供しているクリニックはこちら

がんのステージ3のまとめ

がんと診断された場合、もっとも心配なのは治療のことだと思われますが、患者さんの社会的背景、仕事のことを切り離して考えることは難しいでしょう。

長期入院の後は本人が思っている以上に体力が落ちているものです。足腰も弱っているかもしれません。無事に会社に復帰できたとしても、かつてのようにバリバリ仕事をこなすことは難しいでしょう。仕事に必要な体力はもちろん業務内容によってさまざまですから、主治医であっても仕事に必要な体力が回復しているかどうかは判断が困難です。

仕事に復帰した直後は、どうしても張り切ってしまいがち。できることなら少しずつ仕事量を増やすよう調整してもらいましょう。これは必要なリハビリ期間のようなものだと割り切ることが大切です。同僚からのサポートに感謝し、円滑なコミュニケーションを図ることがスムーズな仕事復帰のコツです。ご家族もそういったことを考慮できるとよいかもしれません。

遺伝子治療を行う
クリニック一覧を見る